MERCEDEZ



 メルセデスの産地、オアハカ州(Oaxaca)は、Mexico Cityの南東に位置しています。

 中心都市であるオアハカ市は、Mexico Cityから飛行機で小一時間で行けますが、同州のコーヒー生産地は同市より車で約五時間、不毛の荒野を走り、2500m級の山が連なる、山脈(シェラマドレ:母なる山々)を超えた、太平洋に面した処にあります。(オアハカ市から真南に向かって山を超えます。)

 オアハカ州はメキシコでも良質のコーヒーの産地として有名ですが、山が険しいことから、労働効率が低産地に比べ悪く(全国平均690kgs/ha、オアハカ400kgs/ha)量的に限られる欠点があります。

 品種としては、Typica種が主体ですが、この地区だけに見られる、Typicaの一種であるPluma Hidalgo(プルマ ヒダルゴ)と呼ばれる品種が主要です。柔らかい酸味と甘味がバランスよく調和し、芳醇な香りはコーヒーの女王と呼ぶにふさわしいものです。

 メルセデスは以上の様な険しい山岳地区にある農園で生産されています。この農園の所有者はドイツ系メキシコ人で、彼の愛娘の名をとって『メルセデス』と命名しました。生産量も限られている為、全量を殆ど西ドイツに輸出しています。

 オアハカ州のコーヒーはメキシコ各産地の中でも高級品として評価されておりますが

「Cafe Pluma」(オアハカコーヒーの別称)は、プレミアムコーヒーとして、アメリカのグルメコーヒー市場でも、絶大な支持を受けています。